ウィラ県南部の農園より、様々な精選方法を意欲的に行う若きコーヒー生産者ロドリゴ・サンチェス氏が手掛けた、インフューズド系Purple Caturra種のご紹介です。
昨年ご案内差し上げた同生産者が所有するエルプログレソ農園では、確かな産地による品質素地と丁寧な精選が光るCaturraのフルウォッシュドをご紹介いたしました。
今回は彼が生産する農園から送られた全24種のサンプルの中から厳選した、コーヒーの発酵槽に果物や酵母などを加えた所謂インフューズドと呼ばれる特殊精選品の中から、Tropical Washedという商品をご紹介いたします。
この特殊精選商品はRodrigo 氏が生産者として、何年にもわたって研究と試行錯誤を重ねてきた精選を上手く活かし、たどり着いたレシピで、
発酵槽にパイナップル、パッションフルーツ、オレンジ、マンゴー、サトウキビ、その他発酵を促す微生物を発酵槽に投入しており、
商品名の通り、トロピカルフルーツを使ったフルーツポンチを意識し味を寄せるように設計・発酵させた商品です。
今や特集記事が複数存在するほど、インフューズド系には賛否両論あり、弊社としても取り扱いを行うか悩ましいところではございました。
確かに、今回ご案内差し上げる“Tropical Washed”も一般的なコーヒーとはかけ離れた印象を持つ商品であり、長年日本のコーヒー市場を支え続けてこられた皆様には受け入れがたい部分もあるかと存じます。
しかしながら、Rodorigo氏をはじめ、世界では嫌気発酵に端を発する革新的な発酵方法の開発が活発化している流れも確かにございます。
方法は違えどよりおいしいコーヒーを生産し、世界中に届けたいという思いはどの生産者も持ち合わせているものです。
そこで、弊社としても世界が今行おうとしている挑戦に対して、日本市場がどのような反応をするものか、少量ではございますが試験的に販売をさせて頂きます。
是非、口コミやお問い合わせ欄より忌憚なきご意見をお寄せくださいませ。
モンテブランコ農園の現オーナーはロドリゴ・サンチェス・バレンシア氏で、彼の祖父から続く伝統ある家族経営の農園です。
彼はこの農園を皮切りにウィラ県の周辺地域に複数農園を買収しており、昨年ご紹介差し上げたエル プログレソ農園もその一つです。
しかし、複数農園を所有しているからとはいえ手を抜くことは決してなく、木の発芽から栽培、収穫、精選、輸出までの全過程をまとめて主導しており、最高のコロンビアコーヒーの1 つという自負のもと、この度、日本の皆様にもご紹介することが叶いました。
彼との出会いは、たまたまとある輸出業者の紹介で6年ほど前に訪れたことがきっかけです。
当時より、チェリーのパルピングの仕方、パーチメントの発酵時間や発酵温度など、精選方法の改善に余念のなさをみせておりました。
14haしかない小さな農園では、Geisha、Bourbon Rosado、Pacamara、Caturra Purpura、Pink Caturraなどの様々な品種を栽培しています。
農園の気候的特徴としては、平均気温は16℃~22℃、日照時間は年間1,700 時間で、コロンビアの平均に比べ300 時間ほど長くコーヒーの木に光に当てることが出来ます。
また、農園内には自社でウォッシングステーションやパルピングを行うためのウェットミル、放射状に広がったアフリカンベッドを使用した乾燥設備に加え、上記特殊精選を行うための低温発酵用として10~14℃設定された冷蔵室や通常の嫌気発酵を行うタンクだけでなく、ナチュラル精選の発酵に特化した専用のタンクもございます。
そうしたこだわりを持つ彼の商品は世界でも徐々に認められつつあります。 コロンビア内のコンクールであるYara Champion Program 2017 では、Bourbon-Rose という品種で優勝をものにし、翌年同じ品種でYara Champion Program 2018 の準優勝を獲得しました。
更に、2019 年に行われたヨーロッパの団体が主催するRoasters Unitedという大会では、Purple Caturra Washedで優勝、2020 年にも同品種で3 位を獲得しております。
同時発売として、昨年同様比較的一般的な精選で、品質素地の高さがうかがえるGeisha Washedもご紹介しております。
何年にもわたって研究と試行錯誤を重ねてきた精選を上手く活かし、たどり着いたレシピを使用し他商品を、是非一度お試しくださいませ。