いつもお世話になっております。兼松の江藤です。
平素よりCOFFEE NETWORKをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
本日は、2年前に一度だけ試験的に導入し、発売から1カ月で完売してしまった伝説の銘品、
Jamaica Coffee Corporation社による、
「ブルーマウンテン No.1 シンコナ農園 RE-DISCOVERY」の数量限定復活のご案内です。

少し古い思い出話を書き連ねてみたく思います。
振り返れば、2013年にジャマイカを担当するようになった当時は、2008年のリーマンショックによって
じわじわと国内需要が冷え込んでいたブルーマウンテンの在庫がようやく少なくなったのと反比例するかの如く、
生産地側のさび病や干ばつの影響で急速に供給不足懸念が浮上し、未曽有の高値を記録するタイミングでもありました。
その頃、「ブルマンという伝統的ブランド銘柄でさえあれば、価格がいくら上がっても消費者はついてくる」と
コーヒー業界の多くの人が思い込んでいましたが、世間のご評価は実に正直で、
「そこまで高くなったら、もうブルマンでなくても、他にいいコーヒーはいくらでもある」と、
ブルマン需要の低迷がさらに進むことになりました。
その後、産地側の供給が戻り、価格がずいぶんと落ち着いてきても、
日本国内のブルーマウンテンコーヒーの市場は低迷しており、弊社としても危機感を感じ、
少しでも新たな価値をもったブルーマウンテンを届けたいという思いで2018年に開発したのが、
この「ブルーマウンテン No.1 シンコナ農園 RE-DISCOVERY」でした。

その時に着手したのは、2つのポイントです。

まず、豆の品質について。伝統的なウォッシュト精選が息づくジャマイカにおいて、
昔ながらの王道のブルーマウンテンをもう一度味わってもらうためには、
安易に精選方法に手を加えるという発想はありませんでした。
それよりも、すぐに着手出来て、かつ従来品との違いの有無を感じやすいものとして、生豆の選別精度に着眼。
基本的にジャマイカではどこのドライミルでも最後に入念なハンドピックを施すため、
欠点混入率が少ないのがブルマンの特長です。
しかしいろいろ話を聞いてみると、1948年にジャマイカコーヒー産業法が制定され、
そのブランド価値を上げる過程でしっかりと守られていたブルーマウンテンNo.1の輸出規格は、
スクリーンサイズが19up以上であったことが分かりました。
日本を中心とする消費国からの需要増に応えるため、
1990年代にはそのNo.1のスクリーンサイズ規格は17upに訂正され、今に至ります。
現在のNo.1を篩ってみると19以上が約20%、18以上が40%、17以上が40%弱、
17から落ちるのは1%以下、というようなざっくりとしたサイズ構成。
よく、大粒のコーヒーは大味だと言われることがありますが、
豆のサイズが大きいということは、そもそものチェリーが大きくしっかり成熟したことの証。
丁寧に管理された農園で育った成熟度の高いチェリーから得られる大粒の豆は、
大味どころか、密度がしっかり詰まった、コーヒーの粋であると考えています。
ゆえに、No.1の中でも、スクリーン19以上の部分だけをより分けることが出来れば、
至高のブルーマウンテンが得られるのではないかというのが、弊社のこだわりのひとつです。

次に、外装の樽に対して。

木目が前面に出た特徴的なブルーマウンテンの樽は、日本各地のレストランや喫茶店にけっこう点在していますし、
インテリアショップではこの樽の模型のようなものが売られていることもあるほど、
樽はジャマイカのコーヒーの象徴でもあります。
ただ、世界の他の生産国では外装のデザインを工夫するところが数多く出てきていながら、
特徴的な樽を使うジャマイカでは、そのデザイン性が取りざたされることがありませんでした。
実際、特別なペイントを施した装飾樽が存在していない特別な理由が何かあるのか、
Jamaica Coffee Corporationが保有するコーヒー精選工場の社長・Stephen Shirley氏に聞いてみると、
「樽は樽のままで出すことしか今まで考えたことがなかった、それが、政府が定めた今までのルールだから」
という回答でした。
当たり前すぎることにはなかなか疑問がわかないのはよくあることですが、
ブルーマウンテンの輸出量が減少すれば、国の産業にとっても痛手であるはずだし、
その需要再興に向けたプロモーションにつながるのであれば、
国も前向きに検討してくれるのでは?という根拠のない楽観論から、現地公社に掛け合ってみました。
すると、樽に無用なペイントをすれば、
その塗料が中で保存してある豆に悪影響があるのではないか?との反論がきました。
もちろん、その懸念は十分にありますが、それを言ったら
大なり小なり樽にはロット番号やら精選工場名やらが既にインクでペイントされているのだから、
塗ってからしっかり乾燥させ、かつ中身に色移りすることがないようにしっかり内袋を入れさえすれば、
それほど大きな問題はないのでは?とこちらも主張し、
2018年当時、新穀収穫から出荷まで、数カ月間の保存試験が行われました。
その結果、少なくとも色うつりするような問題は何も発見されずに至ったことで、
この試験に着手したJamaica Coffee Corporationが、日本の兼松に出荷するコーヒーにのみ、
数量限定で色塗り樽の出荷許可を取得することが出来ました。
もちろん、保管期間が長くなることでの影響の有無を見るには何度か同じ検証をしなければいけませんし、
闇雲にペイント樽が出回って何か問題があってもいけないので、
この特別樽での取り扱いは、最初の実験的導入から2年が経過した今でも、
Jamaica Coffee Corporation社と弊社だけに取り扱うことが許されています。

Jamaica KG樽.jpg


こうした2つのこだわりポイントを備えた銘品「ジャマイカ ブルーマウンテンNo1 Cinchona 農園 Re-Discovery」。
一つ事前にお伝えせねばならないのは、今回2年ぶりの復活ということもあり、
新たな輸出許可を現地公社から得るのにやや時間がかかってしまい、
現地で保管していた期間が長くなってしまったこと。
それにより、本当にもったいないことに、ブルーマウンテン固有の少しかすれたカップ感が
やや出始めている懸念があります。
そのため、見た目だけご立派で実際に飲んだらイマイチだったということで皆様を落胆させぬよう、
事前のサンプルチェックは是非ともお願いしたく存じ上げます。
幸い、2回目の輸入ということもあり、入荷数量そのものは2年前の初回よりも多く持ってくることが出来ましたので、
よほどのことがない限り、サンプルをご覧になっている間に在庫が終わってしまったというような心配はないと予想しております。

ジャマイカ ブルーマウンテンNo1 Cinchona 農園 RE-DISCOVERY
https://www.coffee-network.jp/products/detail.php?product_id=453

引き続き、弊社なりの着眼点、目的意識をもった商品をこれからも開発していきますので、
今後ともCOFFEE NETWORKをより一層ご愛顧くださいますよう、宜しくお願い致します。

兼松/江藤