Coffee Networkをご利用の皆様

平素よりCoffee Networkをご利用いただきありがとうございます。
大変長らくお待たせしておりました、「グアテマラ サント・トーマス・パチュージ農園」が入荷いたしました!
今回のコラムではこちらの特集と農園の現状をお伝えさせて頂きます。

サント・トーマス・パチュージ農園は、首都グアテマラシティより約120km西に移動したところにある、
パンポヒラ地域のアティトゥラン地区、サン・ルーカス・トリマンに位置しております。
ここは総面積378haもの広大な敷地を持ち(東京ドーム約80個分)、うち約250haを農業地へ転換可能な自然保護地区として森林のまま残し、
約130haをコーヒー栽培地として利用しております。
アティトゥラン火山とトリマン火山にはさまれ、アティトゥラン湖周辺に位置する森の中に囲まれたこの農場からは、
毎年3~4コンテナ分のコーヒー豆を栽培、日本やアメリカに輸出しております。

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(写真1 農園の航空写真)

始まりは19世紀中頃、ある一家が所有・管理をはじめ、現在6世代目を迎えている伝統ある農園です。
この農園の大きな魅力は何といっても自然との共生です。
自然保護地区を含む敷地内には3つの滝やMadre Vieja川を分かつ境界があり、樹木、低木、ハーブを含めた105種の植物相、
更には両生類、爬虫類、哺乳類に加え、107種の鳥類を含めた240種もの生物が確認されています。

平均標高が1,500m~1,600mの豊かな自然の中で生み出されるコーヒーは、味、品質共に世界中で高く評価されています。
農園の近くには湖があり、標高が高いため昼夜の寒暖差が非常に激しいです。
この厳しい環境下でコーヒーの実はギュッと引き締まり、柑橘の様な甘み、酸味を生み出します。

品質の面では、限られた区画でとれたチェリーで、通常とは違う2倍の乾燥時間をかけたマイクロロットが、
2017年アナカフェコンペティション1位を取得したこともあり、その他世界各国のカッパーによるSCAAカップ評価でも84~87の高得点を続出。
環境面ではStarbucks C.A.F.E. Practicesに認められるなど、様々な受賞歴を持った農園です。
ちなみに農園名の"パチュージ(Pachuj)"はマヤ語で「霧の地」という意味があり、写真の様に朝方には農園全体が霧に覆われます。

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(写真2 霧に覆われた農園)

パチュージ農園は2001年からRA認証を取得するなど、早くから自然環境や人々の労働環境に意識を向けています。
それは、そうした取り組みこそが、自然の産物であるコーヒーが伸び伸びと育つ環境を整えることに他ならず、
高品質なコーヒーを持続的に生み出すことの原点であると気が付いているがゆえのことです。

認証を取得してからの10年ほどは、RA認証を持っていることそのものが強い付加価値として、対価を上げることにも寄与しておりました。
しかし2011年をピークにコーヒーの国際相場が徐々に下落していき、認証を取得したコーヒー農園が世界各国で広まっていくに連れ、
RA認証を持つことが必ずしも販売単価につながっていかない時代に突入します。

特にコーヒーの国際相場低迷が顕著なここ45年は、その他のグアテマラの中小規模の農園と同様に、
このパチュージ農園も、経済的には決して楽ではない状況が続いております。

自国の通貨が国際的通貨であるUSドルに対して弱い国、例えばブラジルやコロンビアなどは、
いわゆるコーヒーの国際相場が下げても、自国通貨換算での手取り金銭が大きく減るわけではないため、
各農家も農園経営を続けられる収入を何とか得ることができます。
一方、自国通貨がUSドルに対して堅調なグアテマラや、そもそもUSドルが通貨となっているエルサルバドルやパナマなどは、
国際相場が低迷すると、そのあおりを受けて安値販売を強いられることになり、農園としての収入も減っていき、
当たり前のように行ってきた営農コストそのものが支出していくことが厳しくなっていきつつあります。

RA認証を毎年更新し続けるための継続費用や監査に対応するコスト負担は大きく、
RA認証を持っていることで得られる対価の低さとのアンバランスさにここ23年悩み続けた結果、
パチュージ農園は、2019/20クロップでの認証継続を断念せざるを得ませんでした。

高品質、サステイナブルといった聞こえの良い言葉だけを耳にすると、
コーヒー農園は非常に明るい未来に満ちた華やかなものであると感じてしまいがちですが、
パチュージ農園に限らず、この様な厳しい現実もあるということを、コーヒーを取り扱われる皆様にはぜひ知って頂きたく、今回コラムに記載させて頂きました。

ただ、認証を継続しないからといって、これまで20年近く続けてきた自然環境や労働環境への配慮といったことをおろそかにするわけではなく、
RA認証の継続と共に取り組んできたサステイナブルな営農方法は、今後もパチュージ農園の血肉としてしっかりと残ります。
実際、今年のパチュージも出来が良く、品質は今までと変わらぬものです!

一度更新を途絶えたことに対する再認証費用、それ以降にも続く年間更新費用を考えると、
次の2020/21クロップ以降でパチュージ農園がRA認証を復活させるかどうか、現時点では確定できない状況でございます。
認証の有無について農園主にも正直な反応を伝えるべく、日本のロースターの方々がRA認証についてどう考えているか、是非とも皆様の声をお聞かせください。

そして、認証の有無にかかわらず、広大な自然保護区に守られた環境が創り出す素晴らしいコーヒーを、今年も是非、お試しください。

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(写真3、4 農園関係者の写真)


↓商品ページはこちら↓

・サント・トーマス・パチュージ農園 
https://www.coffee-network.jp/products/detail.php?product_id=21

・サント・トーマス・パチュージ農園 イエローブルボン
https://www.coffee-network.jp/products/detail.php?product_id=518

(兼松/塘口)