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生の「コーヒー人」の皆様に迫り、対談ネタをお送りするシリーズ。

第2回は、先々週末のイベントに向けてブラジルから来日した、ダテーラ農園の輸出部長ガブリエル・モレイラ氏(以下、G)と、私(以下、E)の対談模様をお伝えします。

「ガブリエルについて」

E:この度は遠路はるばるブラジルからの来日、ありがとうございます。これで日本は3回目ですよね。

G:アリガトゴザイマス。そうです。最初に来たのが2013年とSCAJの時ですから、およそ2年に一度の頻度ですね。

  日本は本当にいつ来てもいい国だと思います。

E:もともとガブリエルは子供の頃から日本文化に触れて育ったとか?

G:そうなんです、子供の頃はドラゴンボールや聖闘士星矢などのジャパニーズアニメをよく見ていて、それで、富士山とかサクラとか寿司とかお寺とか、日本文化には惹かれるものが数多くあります。

E:う~ん、ドラゴンボールと富士山や日本食にはあまり直接的な関連性ないけど、、、まあそれはさておき、改めて、ガブリエルの経歴を少し教えて下さい。

G:はい、僕の生まれはサンパウロ州の片田舎の街で、位置としてはほとんどミナスジェライス州に近い場所です。

10歳の時に家族の仕事の都合でカンピーナスという都市に引っ越して来て、ダテーラ農園の親会社であるデパスコールが営む教育基金をもらい、学業に専念したんです。

そして自分自身でも学びながら、その基金が支える同じような立場の子供達に対して先輩講師のような形で、リーダーシップとは何か、国際関係とは何か、ということを半分生徒、半分先生みたいな形で学んだんです。

そういう携わり方をしたのがちょうど10年前ぐらいですね。その後、学業を終え、そのままデパスコールグループにお世話になる形で、ダテーラ農園に入社しました。それが2009年、19歳の時のことです。

  以来、ずっとカンピーナスの本社で仕事をしています。


E:というと、今年でダテーラ農園に携わって8年目ですね。ちなみに僕はコーヒーを始めて5年半なので、ガブリエルの方が圧倒的にコーヒー経験が長いですね。

  そういえば昔なかった髭が最近やけに目立ち、少し貫禄ついてきましたね。

G:割と幼く見られることがあるので、去年ぐらいから髭を伸ばし始めたのです。


「ダテーラ農園について」

G:ダテーラ農園には、セラードにある農園内で働くチームと、僕のいるカンピーナス本社で働くチームとに分かれます。

僕は本社チームと農園チームの情報連携をとりながら、いかにして輸出先国のお客さん、もちろんその中に兼松も含まれますが、各国のパートナーの個々の要望を叶える商品づくりのためのアイデアや、

各国でのプロモーション活動をどう行うかなどのアイデアを提案する役割を担っています。

E:日本にはおおよそ2年に一回ぐらいの頻度ですが、他国ではどれぐらいの頻度でプロモーション活動をしているんですか?

G:世界最大市場であるアメリカに対しては、ブラジルからそれほど遠すぎないということもあり、毎年4月のSCAAには必ず出展をしています。

ダテーラにとってアメリカはまだまだ数量を伸ばしきれていない市場でもあります。

また、欧州のSCAEでは、これまでバリスタチャンピオンシップの決勝大会が行われていたので、決勝大会のスポンサーは毎年やって来ました。

  それ以外でも、韓国や台湾やロシアなど、新興市場には特に足を伸ばして展示会などを見て回ったり、現地のパートナーと一緒にブースを持ったりしています。

E:そう言えばここ3年ぐらい、バリスタチャンピオンシップの上位3位までに入賞された選手をダテーラ農園に招待するようにしているみたいですね。

G:はい、日本の方で言うと、3年前のチャンピオンである井崎さんや、去年の準優勝の岩瀬さんにも、ブラジルの農園までお越し頂いています。

こういう活動をすることで、世界のコーヒー市場により大きな発信力を持つバリスタの方々にダテーラを使ってもらい、農園やコーヒーそのものの魅力を伝えてくれればと考えています。

「日本について」

E:では日本市場について少し話しましょうか。兼松は2003年から日本市場におけるダテーラの取り扱いパートナーとして取引開始しましたが、もう14年目になりますね。

  その他の国だと、さっき話のあった台湾と韓国、あとUSA、イギリス、スペイン、ギリシャ、オーストラリアにそれぞれ販売パートナーがいるんですよね。

G:そうです。基本的に1カ国1パートナーとすることで、商品の伝わり方に差が出たり、無用な価格競争とかが起きたりしないいように配慮しています。

E:兼松にとって、ダテーラ農園の商品は取り扱い全商品の中でもトップクラスの量をしめる、一番大切なものです。

日本のコーヒー市場では、「ダテーラと言えば兼松」、もしくは「兼松と言えばダテーラ」と、おそらくほとんど全ての人々がそう認識してくれていると言っても差し支えないぐらいの、蜜月関係だと思います。

ただ、世界の様々な生産国からスペシャルティコーヒーの選択肢がどんどん増えてくるに連れて、他では使われていないような「自分だけのコーヒー」を求める層も増えて来ていて、

「ダテーラはいろんなところで使われているからうちは使わない」という見方をされてしまうケースも増えてきました。それが、ここ数年の兼松としての課題でもあります。


G:はい、そういう多様性は、確かに日本のみならず、他の国でも出始めています。どんどん、自分だけの農園、自分だけのコーヒーというのに走る傾向があるようにも思えます。


E:なるほど。でも兼松にとっての課題というのは、じゃあダテーラの扱いを減らして、ブラジルで他のラインナップを増やそうかというような置き換えの議論ではなく、

「誰がどう使っていようが、やっぱりうちはダテーラのコーヒーがなくてはならない」と思ってもらえるように、いかにして商品のブラッシュアップをしていくか、

またダテーラ農園が大事にし続けている理念や理想を広く伝えていくか、ということだと考えています。

何故なら、他ならぬ兼松自身がブラジルでダテーラ農園に優る農園はないと強く信じているからです。


G:アリガトゴザイマス。それは僕達にとって本当に嬉しいことです。


E:なので今回ガブリエルに来日してもらうに至った、あのTokyo Coffee Festivalというイベントへの出展は、まさにそんな課題に対するひとつのアクションなのです。

これまで、主にSCAJなどで兼松はロースターさんに向けたダテーラ農園の紹介を行って来ました。けれど、あのイベントに訪れるのはコーヒー好きの一般消費者さんがほとんどです。

最終的にコーヒーを買われる人々に直接ダテーラ農園のことを伝え続けたいというのが、今後の出展の動機です。

もちろんあの場で農園の全てを伝えきることは不可能ですけれど、たとえ名前だけしかしながら記憶に残らなくても、「ダテーラ農園って、なんか聞いたことがある」という人々を少しずつでも増やし続けることが、

将来的な需要につながるのではと考えています。

ガブリエルは今回のイベントについてどんな印象でした?


G:前回2015年のSCAJで来日した時にエトーさんに連れて行ってもらったのが、あのイベントの第一回目だったんですよね。

あの時、日本のスペシャルティコーヒーの盛り上がりのようなものを強く体験し、いつかダテーラとして出展したら面白いかもと感じたんです。

今回それが実現したわけですが、想像をはるかに越えるぐらい、自分達のブースには人だかりができ、とても感激しました。

ブラジルからコーヒー生産者が来た、ということに関心を持ってくれる消費者が多いんだなと、強く感じました。


E:それは僕も同じ印象です。周りで出展しているカッコいいロースターさんに混じって、われわれ生豆屋がブラジルのコーヒーを紹介するというのは少し地味に映るかなという多少の心配もありました。

でも、生産者に会ってみたいということがお客さんの来場動機になるんだなと、改めて思いました。

そして飲み比べチケットを持って訪れてくれた大勢の方々が、飲みやすい、美味しいと、ものすごくシンプルな言葉で表現してくれたことも、なんだか新鮮で嬉しかったですね。

G:今回、1日目はブース出展、2日目は来場客として会場を訪れ、今までお会いしたことのないロースターさんにも挨拶出来て、好意的に受け止めてくれた方が多かったと思います。

そういう方々にもダテーラ農園の商品を使ってもらえるよう、兼松のみなさんの今後の頑張りを期待しています。


E:もちろんです。今回は本当にいい体験が出来ました。そして、関心を寄せてくれたロースターさんや、一般消費者の方々に「ダテーラ農園っていいよね」と心底思ってくれるよう、

コーヒーの商品力をあげ続け、農園の魅力を伝え続けたいと思います。これからも是非、よろしくお願いします。

G:はい、今年のSCAJでもまた来日したいと考えています。兼松のみなさんと一緒にまた楽しい出展が出来ることを願っています。

「ダテーラ農園、その向かう方向性」
E:今後、ダテーラ農園として特に目指している方向性など、伝えておきたいことはありますか?

G:僕らの理念は、30年前の農園を取得してコーヒー生産を始めたことからと、本質的な変わりはありません。

  この農園でコーヒー生産に携わることに喜びと誇りを感じてもらうこと、農園を運営することを通じて地域の活性化と自然環境の維持に努めること、

  そして、この農園のコーヒーを飲んでくれる人々の生活を少しでも豊かにすることにつながる、おいしいコーヒーを提供し続けることです。

E:これからもその基本理念に沿った農園づくり、コーヒーづくりを行うことに変わりはないということですね。

G:そうです。それを達成し続けるために、お客さんからのご評価やご意見を受け止めながら、毎年毎年新たに出来ると思ったことにはすべて取り組み、

  前進したいと思っています。

E:わかりました。兼松もそのコーヒーを日本に伝える良き理解者であり続けられるよう、努力していきます。

G:ヨロシクオネガイシマス。

以上

このような対談を兼松のコーヒー担当者としてみたいと思っていただける方、東京まで足を運ばれる機会があれば、ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。

またなかなか都内には出てこられないという方でも、「今度はうちに来てほしい」とう声をお聞かせくだされば、各地への訪問の折に出来るだけ足をはこべるようにしたいと思います。

兼松・江藤