第93回:ラ・ホヤ農園訪問レポート
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グアテマラ農園訪問記、続いてはラ・ホヤ農園です。
ラ・ホヤは、非常にレベルが高い農園で、またオーナーのペドロさんのアテンドも親切で面白く情熱的。 メディナ農園と同様、アンティグアにある農園です。 |
ほぼ全てのチェリーが完熟レベルにあり、視察としては最適なシーズンでした。 ただ一点、収穫が若干遅れているとのことで、ドライミルの稼動している状態は見られませんでした。 |
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ペドロさんの農園は、私が見てきた中で、最高クラスの管理体制と言えます。 チェリー熟度の一定性、農園・ミルの清潔さ、どれをとっても一流と言えるでしょう。 山道にゴミ箱を設けてあり、農園にはゴミ一つ落ちていません。 |
サビ病については、ほとんど影響は見られませんでした。 驚いたことに、サビ病対策を行っているペドロさんの農園と、対策を行っていない他の農園とでは、全く状況が異なっていました。 対策を行っていない他の土地は、ほぼ丸裸の状態となっていますが、それに隣接しているペドロさんの農園は葉が青々しており、チェリーもきちんと実っていました。 サビ病対策にはかなりのコストを払っているということで、コストをかけてきちんと対策を行っている様子がわかりました。 |
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品種はブルボン種が50~60%ほどで、カツーラ種やパチェ種なども植えています。 今後はパカマラ種を増やしていきたいとのこと。 |
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ピッカーの教育レベルは高く、完熟チェリーのみを収穫。 「なぜピッカーはこれほどまでに収穫の意識が高いのか?」と確認したところ、 「毎年同じピッカーを雇っているからだよ。そのため技術が蓄積されている。さらに、集められたチェリーを集積所に持っていった際、もしグリーンが入っていると、大勢いる監督者のトランシーバー全員に報告が入り、すぐに指摘・教育が入るため、彼らはしっかりやるのだよ」 とのこと。 ピッカーは叱責が怖いからきちんとやるのか、技術があるのか、よくわからないところですが、いずれにせよ、ペドロさんの農園のピッカーはレベルが高いです。 |
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ピッカーは、横100mの一列を責任持って収穫しているということですが、日本人から見ると列は全くわかりませんでした。 収穫されたチェリーは、まず山中で一度ピッカーの手によって、選別されます。 |
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繰り返しになりますが熟度は一定で完璧。レッドチェリーとコッコの間の完熟状態です。 収穫されたチェリーは、ウェットミルに運ばれます。 |
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ピッカーが持ってきたものは、スタッフにより重さを量られ、その後、タンクに流し込まれて、重いものと軽いもの、葉、枝などが選別されます。
重いチェリーのみ、外皮が剥かれ、発酵槽へと流し込まれます。 発酵時間は気候、気温、量にもよりますが、18時間程度。発酵の確認は、棒を差し、抜いたとき穴が塞がらなければ完成。 なお、水は使用しません。 その後、2種類ある水路に流され、残ったミシュレージを取り除きます。 一種類は、伝統的な水路で、長さおおよそ50mほど。 この間をチェリーが流れることにより、発酵で取りきれなかったミシュレージを綺麗に取り除きます。 伝統的な水路は、主にセカンドグレード(第一選別で浮いてしまったものなど)に使用。水路を通った後はそのままパティオに運ばれます。 もう一種類は、高さ2mの場所に設置されたミル。 ポンプで吸い上げ、勢いよく流すため、水路の長さは半分程度。そのため、余計な水、人件費、作業時間が大幅にカット出来る模様。 水路を通った後は、一度脱水機にかけられ、余分な水分が取り除かれ、トラクターでパティオへと運ばれます。 |
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2haのパティオを完備。アグア火山を一望出来る素晴らしい景観。 今回訪問した農園の中で最大のパティオです。 | |
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天日干しを2~4日程行い、ほぼ全てドライヤー(ドラム式の大きな乾燥機)にかけ仕上げます。 ドライヤーは3台。4台目を導入予定。 なお、ドライヤーは24時間稼動。 今回、稼動しているドライミルの視察は出来ませんでしたが、工程は次の通り。 まず、パーチメントとそれ以下を風の力で選別。 その後、脱穀し、スクリーン選別機、比重選別機、カラーソーター、ハンドピック、パッキングへと作業が進みます。この流れは、一般的なものと変わりありません。 |
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・グアテマラ ラ・ホヤ パチェ ・グアテマラ ラ・ホヤ カツーラ |