先日、エチオピアに出張してまいりました。以下、出張レポートです。

【経済概況】
2003/04年度以降年平均11%のGDP成長率をキープし、順調な経済成長を遂げている。
英国エコノミスト誌は、2001~2010年の間にもっとも急速な成長を遂げた国ベスト10の第5位にエチオピアを選んでいる(2011年1月18日、UK版)。

ただし今年のインフレ進行が経済にどう影響を及ぼすのか注視が必要。
2010年9月に同国通貨ブルが17%切り下げられ、また国債資源価格が高騰したのを契機に、2011年3月のインフレ率は25%、4月は30%をマークしている。

1991年の民主化後、首相に就任したメレス氏の独裁政権が20年続いており、言論・政治活動などへの統制が強い。 経済政策にも独裁色は色濃く反映されている。
現に、銀行に対する貸出上限額の規制を外す代わりに、融資額の27%を国債購入に充てねばならぬという法制を急遽布いて、民間銀行から吸い上げた資金で国の財政赤字相殺を狙うなど、よく言えば強いリーダーシップを発揮しているとも言えるが、一般企業は表立った政府批判をし難い状況にある。

【コーヒー生産概況】
同国がユニークなのは、全生産量の半分に近い数量が国内消費に回ることである。

< エチオピア貿易省マーケティング局>
2009/10年度 480,000トン
2010/11年度 予測449,000トン(USDA発表は270,000トンと乖離がある)

【コーヒー輸出概況】
<エチオピア貿易省マーケティング局>
2010/11 年度        170,000トン(233百万袋)   
1位ドイツ(33.3%)
                            2位サウジアラビア(13%)
                            3位米国(10.1%)
                            7位日本(4.7%)


067-photo01.jpg 【コーヒー価格】
収穫シーズンが10~12月の同国では、12~2月初旬もしくは中旬にWashed Coffeeが取引され、それ以降にUnwashed Coffee(エチオピアではSun dry Coffeeとの呼称が一般的)が取引開始となる。
9月の声を聞くと端境であり、ECXでの商いも閑散となり、12月の次クロップを待つ形になる。

一般に、輸出業者はシーズン初期に思惑も含めて売りポジションを多く建てる傾向にあり、シーズン後半にショートカバーつまり買いに走る傾向にある。シーズン後半は端境とも重なり、値下がりし難い状況が形成され易い。

また上述のインフレが同国独歩高の相場を形成する可能性を含んでいる。
これらを総合して、今後端境に近づくにつれて相場は底堅く推移するものと思料。

【ECX制度】
2008年11月に旧オークションにとって替わる形でスタートしたECX制度は、3クロップシーズンを経て順調にこの国の商取引インフラとして定着している。
設立当初に目的として掲げられた下記項目の全てが実現していると言える。

<目的> 
・エチオピア国内取引の透明性向上、生産者の手取り向上
・電子化による統計データ収集
・電子化による取引価格のリアルタイム視認
・地方支店での取引実施

特に2年目以降に実施された地方支店での倉庫設立、入荷受け入れ開始に伴って首都Addis Ababaの混雑が大幅に緩和され、原料の販売・購入プロセスが短縮された。

今後、近隣のウガンダやスーダンなどへこのノウハウを輸出すると、ECXは鼻息が荒い。
デメリットとしては原料ロットの出荷元情報が完全に消されてしまうという点が挙げられるが、この点も政府の立場からすればコモディティ商品としての平準化に寄与しているという説明になる。

【ECX外取引・単一農園及び農協】
生産者利益の向上目的にて、国営農園や農協組織はECXをバイパス出来ることを国は認めている。その為、トレーサビリティを確保した商品の売買が可能となる。

現在のところ、バイパスして取引が可能な単一農園は下記の通り。企業体による農園経営参入を中心として、その数は次第に増えている。

・国営農園
Limu、Tepi、BebekaなどJimma、Kaffa地域の国営農園
(民営化進んでいる)

・民間系農園会社
Ethio Agri-CEFT PLC、Green Coffee Agro Industry PLC、S.A. Bagersh他、 農園経営ライセンスを持つ民間企業

・農協系
オロミア農協、イリガチェフェ農協、シダマ農協、オロミア森林公社、他農協組織

弊社としては上記の民間系農園会社との取組を進化させていく方針。
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