コロンビア南部ウィラ県産コーヒーのパートナーサプライヤー開拓及びメサデサントス定期訪問のため、コロンビアへ行ってまいりました。

a) Huila県編
今回の最大目的はコロンビア南部の水先案内人としてノミネートしたBANEXPORT社の見極めである。きっかけは米国Specialty ImporterであるCafeImports社のJason Long氏に推薦してもらったことによる。
BANEXPORT社は2002年設立の若い会社で、兄Carlos Julian及び弟JairoのRuiz兄弟で経営されている。他に出資者(マイアミ在住)が居て米国内向けのマーケティングを担当している。北部を兄、南部を弟が担当。今回はJairoとだけ会った。

BANEXPORT社の機能は輸出業者であり、年間取扱量は60,000袋と小ぶり。
自社ドライミルをCauca県のPopayanに保有する。
Huila、Cauca、Narino、Valle del Cauca、Tolima、Quindio等の南部産コーヒーはこのPopayan自社ドライミルにて精選・選別しBuenaventura港(太平洋)から出荷する。
一方Santander、Sierra Nevada、Santa Marta等の北部産コーヒーはAlmaCafe社に委託精選し、Cartagena港(大西洋)から出荷する。

販売先は9割方USA向け、残り欧州向けである。シカゴInteligencia社との結びつきが強い。
また最近ではLuis DreyfusコロンビアからStarbucks向けSpecialtyの引き合いを多く入手。
その他Volcafeからも引き合いがあるとのことで、最近Coffee Majorは自分たちの苦手とするSpecialtyの調達をBANEXPORTの様な会社にアウトソーシングしている傾向にある様である。

BANEXPORT社は輸出業者ではあるが、産地の生産者グループに入り込んでおり、FNC向けの商売に飽き足らぬ生産者グループからの買付を増やしている。今回は 、

1. Caney Group(Bruselas在のRA認証農協)
2. Mujer Cafe y Cocina Group(Bruselas在のRA女性グループ)
3. ASPROTIMANA Group(Timana在のFLO/RA認証農協)

以上3箇所の生産者団体を訪問した。
これらのいずれに対してもBANEXPORT社の先行投資(カッピングラボの敷設、カッピングノウハウの指導、前途金の付与等)が行われていた。
いずれの生産者団体もBANEXPORTとのExclusiveな関係ではないものの互いに強いObligationが発生している様子が見て取れた。
Jairo Ruiz氏の人柄も良く、非常に生産者から受け入れられており、滞在時も酒の席で進んで芸者をやり、帰り際には全員にCashを握らせるなどして人心把握に努めている様子も強く確認された。
兼松としてBANEXPORT社の政策に共鳴できるものを感じ、また大部分が小農家生産者で占めるコロンビア南部地区の水先案内人として信頼に足ると判断した。

060-photo01.jpgなお、BANEXPORT社員であり南部Cupping責任者のWhymall氏は2010年6月ロンドンで行われた世界カッピングコンテスト(利きコーヒー)で優勝した実力者である。

左) Whymall 右)Jairo Ruiz @Caney Group倉庫

コロンビア生産者の近々の問題として、最近の若者の農家離れつまり後継者問題が挙げられていた。BANEXPORT社もこの点に問題意識を持ち、若者に対してコーヒー産業の魅力をアピールする施策としてカッピング技術の教育、エスプレッソの普及及びバリスタの育成を掲げている。
Whymall氏を通じてのカッピングトレーニングを常時行い、またエスプレッソコーヒーの抽出デモを頻繁に行っている(BANEXPORT社はSpain/Expobar社抽出機製品コロンビア代理店)。
その為の社員バリスタを今回の南部行に同行させる程、力を入れている。
2011年4月には主催社が私的に利用しているだけのコロンビア国内バリスタ選手権ではなく、自社主催のバリスタ大会をInteligencia社と共催する。優勝者商品はInteligenciaにおける1週間のバリスタトレーニング。こうした努力が実を結び、若者がコーヒーに魅力を感じ始めている様で、実際に生産者組合の現場には多くの10代・20代の生産者の子息が勤務していた。

■12/18 El Caney Group訪問
2003年設立のBruselasにある生産者組合。
組合長Salomon Artunduaga氏、本部事務所兼倉庫は標高1,400m。農家数84、計480Haの農地を統べる。RA認証保有。USAID、地方政府の補助金を受けている。
そもそも、Huila県最大のコーヒーパーチメント集積地はPitalitoであり、そのうち50%をサプライするのがBruselas地区。
総じて標高高く、Timana地区より品質が高い印象がある(私見)。当座の結論としてHuilaではこのBruselasが狙い目と思われる。

060-photo02.jpg060-photo03.jpg060-photo04.jpg








Caney Group倉庫(左)、カッピングルーム(中)、搬入されるパーチメント(右)

Caneyでのカッピングでは軒並み85点以上の高い評価が出た。マイクロロットとして分けて出荷することも可能、RA/Caneyとして数量をまとめさせることも可能。本農協から125袋買い付けた。3月船積み予定。

■12/18 Mujer Cafe y Cocina Group訪問
BruceralsのCaneyに隣接した、コロンビア版ウーマン・リブ的なグループ。
農家の妻たちが立ち上がってコーヒー栽培とお料理に関する知識を高めていこうという農協。
現状では認証が無いために取り扱いは難しいが、カップ的には良いマイクロロットも散見された。

但しデパルプ後のコーヒーチェリーを甘く煮付けた独創デザートを振舞われた際にはウェットミルのデパルプ後の山に顔を突っ込まれている様な気がして思わず気絶しそうになったが全部平らげた。お替りを勧められたが丁重にお断りした。

 060-photo05.jpg  060-photo06.jpg










代表理事(左)と悶絶デザートとローカルチーズの盛り合わせ(右)

【高床式テント】
一般にコロンビア南部では、ウェットミル処理及び乾燥は各農家において実施、パーチメントで流通される。このエリアに特徴的な設備として、パーチメント乾燥用の『高床式テント』が挙げられる。
天幕はビニールハウスに使う素材、隙間を少し開けて渡された板材の上にメッシュを敷いた構造。アフリカンベッドよりは熱がこもり通気性が多少低いものの如何にも良質な乾燥を促進しそうな設備であり、これが非常に一般的に各農家に普及していたのが驚きであった。Huila産コーヒーが世界的にも高品質とされる所以の一つか。

060-photo07.jpg060-photo08.jpg060-photo09.jpg060-photo10.jpg060-photo11.jpg060-photo12.jpg











BrucelasとTimanaにある高床式テントの例

■12/19 ASPROTIMANA訪問
代表Robinson Hernandez氏。BrucelasとPitalitoの中間、それぞれから車で20分ほどの距離に位置するTimana市にある農協。2002年活動開始。2005年RA認証を取得。2007年FLO認証取得。40セント台の悪夢を経験し、自ら立ち上がらねばと周辺農家で手を取って設立した農協組織(Caneyも設立経由が似ているがだいたい相場低迷の直後に設立されていて、FNCにだけ販売することを良しとしない人々のムーブメントであったのだろう)。

車で1時間かけてRobinson代表の農園(Finca El Recuerdo)も訪問。標高1,750mある天空の農園は、斜面が非常に急峻でジャマイカのブルーマウンテンを彷彿とさせる眺め。 
    
060-photo13.jpg060-photo14.jpg060-photo15.jpg








自社農園トータルで15Ha、30,000kgパーチメント生産、樹数70,000本。
彼の農園指定も今後面白いと思われる。

b) Santander県編
やはり「天空の空港」Bucaramanga Paronegro空港には注意が必要である。
盆地にある市外を見下ろす稜線上とも言える山の上に孤立する同空港は、今回滞在時、降雨と視界不良の影響によりおよそ1日半にかけて閉鎖された。
我々一行は21日の昼に入って22日夜便でBogotaへ帰還するプランを組んでいたが日帰りを余儀なくされた。
El Roble農園(メサデロスサントス)主Oswaldo Acevedo氏によると空港閉鎖はよくあることで、通常は半日あれば解除されるとのことであり、今回の長期閉鎖は異例とのことだが、今後の出張者には余裕を持ったスケジューリングを勧めたい。

12/21 El Roble農園(メサデロスサントス) 農園主Oswaldo Acevedo氏訪問

060-photo16.jpg060-photo17.jpg060-photo18.jpg060-photo19.jpg060-photo20.jpg











El Roble(メサデロスサントス)収穫量、今年度収穫は4,000袋予想。昨年実績は5,000袋。
Integrated Quality Controlという考え方を導入した。
Virmax社のコンサルを元に74区画ロット毎の管理→超上質チェリーのみを"Micro lot"として、それ以外を"Super Lot"として分けることとする。
これにより選別精選及び下等品質玉の排除、倉庫での品種別色分けタグ管理、機械乾燥の低温・長時間化など進歩した点も多くあった。イメージ的にMicro Lotは各区画でごく少量(5%に満たない数量と思われる)。昨年9月から取り組んだ組織改変(Traditional農家から会社組織へのリストラ)に伴って、新しい手法を導入しようという意気込みとちょうど重なった背景もあった。

■灌漑敷設
300haのうち、130ha灌漑敷設済み。昨年は旱魃傾向、今年は降雨多すぎ、結局灌漑設備一度も使用していない
■Dry Mill
Micro LotのみVirmax社ドライミル(Almenia在)にて精選、Super lotは既存のCoopcafenorにて精選。
■品種試験場
試験栽培60種類の中からCupping qualityの良かった5種類(wush wush, geisha A, Icatu, moka,
Racemosa)に絞り、2年前にScale up plant各種数千本植え付け済み。来年初の収穫が出てくる予定。Racemosaは少量ロットをカップしたが、KenyaとYirgaを混ぜた様な良きCup Profileであった。
■SCAA
来年のSCAA/Houstonの前後に合わせてメサデを会場としたCupping大会(全60品種を並べる)を開催予定。

c) シアトル観光編
Bogota発の飛行機が濃霧でまさかの4時間足止めとなり、同日中の関空便の接続を逸しシアトル泊を余儀なくされたが半日観光をする時間が出来た。

シアトル新興Cafeブームはひと段落した感覚がある。実際に店舗で飲んでみてもそれほどの感動を得られなかった。
Sturbucks Pike Place一号店、Stumptown 12th店、Cafe Vita、Espresso Roasteria Vivace Broadway East店を駆け足で訪問。これらは23:00マデ営業しているのでDinner後にも回れる。
しかもStumptown→Vita→Vivaceは徒歩での移動が可能である。Espressoの味で最も美味しいのはVivaceだろうか。ここのMacchiatoは一見の価値あり。

海岸沿い"Ivars"のクラムチャウダー及びCalamariは、ベタではあるものの絶品であった。Seattleディナー、大学街のCoolイタリアン"Osteria La Spiga"でなければ是非ともここを訪れたい。

↓Starbucks 1号店             Ivarsのクラムチャウダー
060-photo21.jpg060-photo22.jpg










↓Ivarsのカラマリ                 Stumptown 12th

060-photo23.jpg060-photo24.jpg











↓Stumptown
のカップと商品カード Stumptown焙煎倉庫(地階)

060-photo25.jpg060-photo26.jpg










↓Vita
Cappucino               Vivache外観

060-photo27.jpg060-photo28.jpg










↓VivaceMacchiato              Vivace店舗内部

 
060-photo29.jpg060-photo30.jpg 










街歩き資料としてGoogle My MapをUpdateしたので参照されたい。
http://maps.google.co.jp/maps/ms?hl=ja&ie=UTF8&msa=0&msid=117350850624197745097.000465fb21b784321155e&ll=47.608015,-122.453613&spn=0.421268,0.823975&z=10
(上記の"KG+OC Seattle Tour 2009"を参照)

なお、Transitの時間を利用したレンタカーを使わないSeattle半日視察には、Holiday InnやHilton等のエアポートホテルに泊まり、SeaTac/Airport Terminal駅からLink Light線(Downtownまで所要35分)でWestlake駅まで乗り入れるのが手軽で良い方法である。