今月半ばに、インドネシア産地視察出張に行ってきました。
昨年の価格高騰もありマンデリンの対日輸出量が激減している今、同国発のスペシャルティコーヒーを発掘・輸入することで、商流を少しでも復活させたい、という思いのもとに。
以下、産地視察にて各地でどういった動きがあるのか、現状説明含め、今回訪問した産地のうち、2箇所の紹介をさせて頂きます。

■スマトラ島
ご存知マンデリンの生産地です。アチェ/タケンゴン、及びリントンエリアがメインです。
産地ごとの特色は以下の通り。

<アチェ>
酸とボディが突き抜け、バランス欠いている場合もある。フルシティローストによりバランス調整可能。

<リントン>
バランス良い。喉の奥辺りに甘さのこる。スパイシー。シティローストが丁度良い。

しかしながら今までの通常品はエリアに関係なく混ぜられた状態で輸出され、故に年によって品質がぶれてしまうのが現状でした。
それではどうすれば品質のブレを防げるのか。もちろん農作物であるが故のブレを無くすのは相当難しいです。
ただ収穫エリアを限定する、またはプロセスを縛る、という事である程度安定した品質を確保できるのでは、という考えがあります。
まず前者の収穫エリア縛りですが、農民が庭先でコーヒーを作る、というエチオピア同様の手法をとるここインドネシアでは、中間業者を通しての買い付けが行われるため、微少ながらも品質の違うコーヒーが集まってしまいます。
そこでエリアを限定し、同様な条件(標高・気温・降雨量・チェリーの完熟具合など)のもと育った豆のみで数量を確保しようという狙いがあります。
また後者のプロセス縛りですが、そもそもスマトラでは農民が摘み取ったチェリーを彼ら自身がデパルプし、ある程度乾燥させてしまいます。
これでは実が完熟していたのかどうか判断が出来ません。
そこで現在進行中ではありますが、レッドチェリーのみを集めて、一斉に精選工場に持ち込み、プロセスにかけることで品質の安定化を図ろうともしています。
このプロセス縛りに関しては、他にも色々可能性を調査している所です。

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■スラウェシ島
カロシ、トラジャといったコーヒーが収穫されている島です。
空港のあるマッカサールより、産地まではスピード狂のドライバーの運転の下でも、7時間程度かかります。
(悪路のため、覚悟が必要です。)
産地のそばまでの飛行機は以前までは毎日出ていたのが、現在では週一便のみになっており、居住者はそのことに対し「観光地としては大きなハンデだ」と憮然とした表情で語っていました。
しかしながらそれだけ市街より離れているが故に、また高低差のある山々に囲まれた景色があるが故に、産地はまさに秘境然としています。
アクセスが悪いが故に、戦争においても長らく独立を保っていたのだとも言われています。
当地方の文化を代表する建物であるトンコナン(両サイドの屋根が大きく上に反り返っているのが特徴)が、未だに至る所に見られるのはその証明とも言えるでしょう。

さて、このように陸の孤島と言っても差し支えない場所にて作られているコーヒーですが、やはりここでも取れたもの全てを混ぜてしまう、という事が長らく行われていたようです。
工場でカップをしましたが、場所ごとに味は多少なりとも変わってきます。
隣り合った山で取れたもの同士を比べたため、それは当然の結果と言えるでしょう。
そこで考えられるのが、農協縛りの生産体制なのです。
もともとカロシエリアには農協組織が発達していたため、それぞれの農協取りまとめのうえで、独立したコーヒー精選を行うことが出来たら、との考えに基づいた計画が進行しています。
ここでもやはり目的として、品質の安定化が挙げられます。またレッドチェリーのみを集める、という計画も進んでいます。

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ここ2箇所の事例からもお分かり頂けると思いますが、インドネシア全体として品質の安定化・良化に取組み始めているところが増えてきています。 非常に喜ばしいことであり、我々としても早く買い付けを行い、産地の努力の成果を皆様にご紹介できるよう、交渉を進めていくつもりです。