最近、兼松コーヒーチームではエスプレッソに関する研究を進めています。
皆さんも良くご存知かとは思いますが、米国のスペシャルティ業界で有名な存在である"Sweet Maria's"という業者がいます。
ここのウェブサイト上でエスプレッソブレンドについて書かれている部分が恐らく興味深いと思いましたので、翻訳・下記します。
基礎的な情報で、Coffee-Network読者の方々には逆に釈迦に説法になってしまったらスミマセン。小生にとっては面白いものでしたので。

原文はこちら:http://www.sweetmarias.com/blending.html

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以下翻訳

■エスプレッソブレンドについて
一般に、エスプレッソブレンドのターゲットとフィルター向けブレンドのターゲットは異なる。
フィルター向けブレンドは味の複雑性とバランスを保つ為に行われるが、エスプレッソブレンドは特にバランス確保に腐心しなければならない。というのも、フィルターでは良い豆がエスプレッソになった途端に効き過ぎ状態になりがちであるから。

殆どのエスプレッソブレンドは、ブラジルの高級品質アラビカ豆、水洗式、そして非水洗式を入れて作られている。ワイニーな酸や、アミノ酸系のフローラルでフルーティネスを得る為にアフリカ産を入れ、酸味を加える為に中米を入れる。

ナチュラルのコーヒーは美しいクレマを作るのに寄与し、中米の水洗式はアロマを豊かにしている。またロブスタ種はボディ感を高め豊富なクレマを作る。かつ安い為ローグレードな商品に使用されることが多い。
確かにクレマも増えるしカップには一個性入るが、「伝統的・欧州大陸的なエスプレッソはロブスタを入れなければ成り立たない」というのはナンセンスが過ぎる。
事実、先日イタリアの小規模なロースターから仕入れた豆はとてもマイルドで甘いブレンドであった。40%ブラジル、40%コロンビア、20%グァテマラの様な中米産を使用。
もしマウスフィールと土臭さを求めるならエチオピア産のDjhimmahかSidamoを使用したらよい。
ロブスタを使って実験するのは楽しいが、深入りしすぎないことだ。
それにカフェインも必要以上に取りすぎてしまうことが私は嫌いである。

コロンビアを使用したエスプレッソブレンドはシャープで甘みを伴うが、クレマが少ない。
今貴方が独自のオリジナルブレンドを論理的に組み立てたいと思っているならば、まずはベースを作る必要が有る。その後でボディ、酸味、スウィートネス、フレーバー、クレマの調整へと移行すればよい。ブラジル、コロンビア、メキシコがベースの選択肢だ。
焙煎の練習をこのベースで行い、色々な温度で試す。そしてエスプレッソの抽出を行う。どの要素をどれだけ盛り込んで行きたいのか、考えながら。

もしアロマを残しつつシャープさと甘さが足りないと思うなら、中米を加えるのが良い。
ただし25%以上入れるとクレマとボディを失うので気をつけること。
ボディとスウィートネスを求めるなら、インドネシアのスラウェシかプレミアムタイプのスマトラを使うべし。50%まで入れても良いし、たとえ100%であってもこのオリジンは素晴らしいのだから。

強烈なパンチが欲しいなら、エチオピアを入れてみよう。
ハラーは通常のエチオピアよりクリーンカップでアロマが豊かでフルーティ、かつやや発酵がかったキャラクターを持つ。
シダモはダークローストでパンチが活きる。
ジマはさほどフルーティではないが土臭さが独特さを際立たせる。このオリジンはクレマも豊富だが、25%以下に留めることにしている。
さらなるスパイシーさとパンチを求めるなら、イエメンをオススメする。こちらも発酵キャラで、クレマ多いが、バランスの観点からエチオピア同様に25%以下に留めたい。

さらに刺激を求める向きには、エイジドコーヒー(インドのモンスーン、スラウェシのランテパオ地区産)が面白い。人により好き嫌いが分かれるが、ファンキーな味を加えることが出来る。

ケニアはエスプレッソに向かない産地の一つと考える。酸味が高すぎるためである。
その他の東アフリカ産も同様で、これらは皆フィルター向きのコーヒーである。
水洗式ジャバアラビカ等のウォッシュトロブスタはどうだろう。中米並みのアロマ等望むべくも無いので、加える必要が無いと考える。
カリブ系?ブレンドする意味が全くわからないよ!

■私の好きなブレンド
スウィートでクリーンなエスプレッソの為に、ローマの路面店系バールのブレンドを紹介したい。

* 50% ブラジル
* 25% コロンビア水洗式
* 25% グァテマラもしくはその他酸味クリーン系中米産

人々はコロンビアを好んで使うが、私は基本的にコロンビアをエスプレッソブレンドに使用するメリットをそれほど感じない。
それよりはスマトラを好む。こんなカンジだろうか。

* 50% ブラジル
* 25% グァテマラ
* 25% スマトラ・プレミアム

中米産のシャープなスウィートネスはしばしばブラジルのナッティーなフレーバーやイエメンの素晴らしいアロマを隠してしまう。マンデリンはボディと深みを加え、イエメンはスパイシーで刺激的なアロマとアミノ酸系のマウスフィールを付加できる。Agtron40から35に焙煎。非水洗式を多用するこのブレンドからは多くのクレマを期待できる。

* 40% ブラジル セラード非水洗式
* 20% パナマもしくはその他酸味クリーン系中米産
* 20% イエメン
* 20% スマトラマンデリン

甘すぎる?つまらない?もっとアグレッシブな何かが欲しい?中米を外そう。

* 50% ブラジル セラード非水洗式
* 25% エチオピアシダモもしくはイエメン
* 25% スマトラマンデリン

インドのモンスーンなどを加えて新しい発見をしてみてはいかがだろう。

* 60% インドモンスーンマラバール
* 20% インドネシアWIBもしくはインドの高品質ロブスタ
* 20% 水洗式アラビカ アロマとバランス目的でチモールやジャバ、スラウェシなど

よく効くエイジドを使って、こんなこともできる。

* 40% エイジドスマトラ
* 30% スマトラもしくはスラウェシ
* 30% グァテマラもしくはその他酸味クリーン系の中米産をアロマに

以上の様にして、貴方の好きなブレンドを試していくことができる。
大事なのは、ベースからスタートし、どの要素を加えていくのか判断し、比較実験を進めること。

---翻訳ここまで

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