インドネシア担当の武井です。今回は、マンデリンの産地視察実施後、南スマトラのBengkulu(「ブンクル」と発音)から車で4時間の場所にある、P.T. Prasidha社所有のアラビカコーヒー農園を視察に行って参りました。同農園は、アラビカ農園でありながらロブスタの産地として知られるスマトラ島の南部に位置し、このオリジンでは数少ない100%トレーサブルなコーヒーを産出しているという情報を得て、弊社ジャカルタ駐在員・東善行社員の協力のもと、すぐさま現地へ飛んだのでした。
実際にこの農園を訪問してみてわかったことは、いかにこのP.T. Prasidhaの社員のみなさんが熱心に且つ情熱をもって農園管理に従事しているか、またその熱意がよい形で従業員の隅々に至るまで伝わっている、そんな農園であることがわかりました。最近はスペシャルティコーヒー、とりわけ第三者機関による認証付きサステイナブル・コーヒー(sustainable coffee)の取り扱いが多くなっている兼松コーヒーチームですが、その様な認証機関の動きの高まりを知る以前から、彼らはサステイナブルな様々な要素を組み込んだ理想的な農園を思い描き、1990年からすこしずつ実行に移してきたのです。

■マンクラジャ(Mangklaja)農園
・標高:
1,100~1,300m
・総敷地面積:
600Ha
・栽培面積:
200Ha
・生産量:
2,000袋
・労働者数:
100名
・収穫期:
4月~5月(1st)10月~12月(2nd)
・精選:
水洗式・セミウォッシュド

殺虫剤、化学肥料は極力使用しない様にしている。殺虫剤は、必要に応じてベリーボーラー対策に真菌類を使用する。肥料は、基本的には堆肥or家畜の糞を使用するが、葉から症状が出始めたらNPK等の肥料を散布する(1年に1回程度)。

精選はfull washであり、パルピングの後、合計18時間発酵槽に浸けている。水分値13~14%程度まで予備乾燥→ハリングを行い、その後天気の良いCurup市へアサランを輸送し、ハンドピックで仕上げる。輸出するにはLampung港まで陸路輸送する必要がある。

■主要メンバー紹介
008-photo01.jpgPrasidhaの取締役のMr. Moenardiをご紹介します。彼は今年43歳。2児の父親です。米国にてエンジニアとしての学問を修め、帰国後は父親の興した会社であるこのPrasidhaでインスタントコーヒー工場の経営を司る傍ら、同農園プロジェクトの指揮を執るバイタリティー及び向上心あふれる実業家です。(写真左から、Mr. Moenardi, 武井、東氏)

008-photo02.jpgまた、同じくPrasidha社員で同農園担当のMr. Eco(写真中央)は、1ヶ月の内半分をジャカルタの本社オフィスで、また半分を農園で過ごすという多忙な農事技師で、本社とこの農園とを結ぶ重要な役割を果たしています。
008-photo03.jpg次に農園マネージャーのMr. Johanes(写真左)です。彼は家族と共に農園に起居し栽培・収穫から精選に至るまで全ての運用面を監督する立場。また、後で紹介しますが実は彼、サッカーとバレーボールを合わせたかのようなアクロバッティックなスタイルで有名な競技、セパ・タクローの名プレイヤーでもあります。 それでは順を追って、農園をご覧に入れます。
■農園までのアクセス
008-photo04.jpg目下大統領選挙の開票作業中の熱気あふれるインドネシアはジャカルタより飛行機で1時間弱、スマトラ島はBengkuluに降り立ちました。インドネシアの地方都市の空港ですから規模は小さいのですが、きれいに整備されており清掃も行き届いた佇まいでした。

車で空港を出発してBengkulu市→Curup(「チュルップ」と発音)市と経由して農園に至るまで約4時間のドライブなのですが、気がついた点がひとつ。この町は家屋の建築に独特のテイストがあり、人々は花を綺麗に育てて家の前にあしらっているという点です。インドネシアの他の都市では、スラウェシ島のトラジャエリアの伝統的建築様式は有名ですが、こちらも街の様子に統一感が出ており清潔感を与える印象があります。

008-photo05.jpgBengkuluの中心部
008-photo06.jpg整然と立ち並ぶ風情のある家屋
■農園風景
008-photo07.jpg農園頂上付近から眼下に広がるコーヒー農園をのぞむ。
008-photo08.jpg農園内の通路。トラクターを使わなくてはならない程険しい。
008-photo09.jpg収穫作業中の人々と。
008-photo10.jpg山肌にびっしりと植えられたコーヒーの木々。
008-photo11.jpg農園内で苗木を育てているスペース。
■農園内の精選設備(ウェットミル)
008-photo12.jpg一時投入タンク
008-photo13.jpgデパルピングミルへ
008-photo14.jpgデパルプ後、乾燥へと回る。
■農園内のゲストハウス
008-photo15.jpgゲストハウス前で、Mr. Moenardi, Mr. Eco, Mr. Johanes,含め関連するみなさんと一緒に。
008-photo16.jpg川、池に近い場所に広がる労働者住居群。
008-photo17.jpg子供達が学校へ行く様子。農園の裾野の方に位置する労働者住居から学校のある方向へは急勾配を上らなくてはならないため、この様な移動手段を確保している。
008-photo18.jpg農園内を流れる川。きれいな、澄んだ水です。
008-photo19.jpg掲げた左手の拳あたりに位置する尾根付近に、この農園のゲストハウスがあります。この撮影場所は労働者住居周辺ですから、本当に広い農園であることがおわかりになるかと思います。
008-photo20.jpgひょんなことから、農園内で開かれていたセパ・タクローの大会に参加することに。農園マネージャーのMr. Johanesと同じチームで戦い、見事次の日に予定されている決勝に駒を進めることができました。
以上探訪記ここまで。