11月10日及び13日の両日、日本で初めての試みとなるレインフォレストアライアンス(以降R/A)セミナーが開催された。今回のセミナーに併せ、ニューヨークのR/A本部よりマーケティングコーディネーター(Marketing Coordinator)のサブリナ・ビジランテ女史(Miss Sabrina Vigilante)が、またグァテマラ・エルサルバドル・ブラジル・コロンビア各国の認証農園(もしくは農協)からそれぞれ代表が来日した。セミナー参加者は当初予想を上回る東京会場70名、大阪会場60名を集め、日本コーヒー業界の関心の高さを映すものとなった。

講演第一部は、R/A本部のSabrina Vigilante女史がR/Aの推進するサステイナブル・アグリカルチャー・プログラム(Sustainable Agriculture Program)に関し説明した。
R/Aの標榜するサステイナビリティーとは、また欧米各国に於けるR/Aマーク(フロッグ・シール Frog Seal)付き商品の実例についておよそ1時間に及ぶ説明が実施された。特に欧州・米国内に於けるR/A認証に対する認知の高まりについては説明に力点が置かれ、また参加者の興味も集中していた。クラフトグループイギリス、アイルランド、スウェーデン、フランスでの使用例、シティ・グループのオフィスコーヒーやアラマークのケータリングサービス、ブレイカーズ・ホテルでの採用実例等を詳細に説明した。
このR/Aの拡大を成功に導くために重要なのは、

 1) R/A自体が中立かつ公正な認証団体であること 
 2) R/Aの各基準が産業界の基準に合致していること 
 3) 企業の規範/行動理念に合致していること 
 4) 企業自身が理念に唱え、自ら推進母体となること 

の各4点であるとの考え方が提示された。
R/AのSabrina女史に引き続き、各国のR/A認証済み農園を代表して、下記のプレゼンターが講演を行った。


各プレゼンターの紹介

002-photo03.jpg1. サブリナ・ビジランテ女史
アメリカ/レインフォレスト・アライアンス認証農業プログラム
マーケティングマネージャー

サブリナ・ビジランテ女史は、10年以上にわたって、サステイナブル、持続可能農業プログラムの概念に関わる仕事に従事し、国際的なマーケティングに関わって来た。最近では、ラテンアメリカを中心とする農園や、欧米・アジアの消費者、小売業者等、全てのコーヒーに携わる人々を対象にしたレインフォレスト・アライアンスの推進プログラムの中心として活躍している。
同女史はレインフォレスト・アライアンスで働く以前にも各方面、地域で活躍。以前は南米の生体系保護を目的とした世界的規模の資源保護団体に従事。また、グアテマラでは、現地の女性団体に属しながら地域の子供達へ森林保護の重要性を教え、各地域での病院設立にも尽力。ボリビアでも地域産業発展に貢献し、域内でのボートの輸送、木材加工所の設置、また、地域の植物を使用した、ジャム、チョコレート等の製造、プロモーションにも携わった。
トゥレイン大学で英文学の学位を取得後、ブライトンカレッジで国際ビジネスのMBAを取得。英語の他流暢なスペイン語、イタリア語を話す。

002-photo04.jpg2. ホリーノッテボーン女史
グアテマラ/ヌエバ・グラナダ農園

ノッテボーン家はコーヒーの生産を始めて110年の古い歴史を持つ伝統ある家柄。彼らは1894年にグアテマラに入植し、その後第一次・第二次世界大戦を経てドイツ系移民であることから、財産の没収や、内戦等、苦難の歴史を重ねてきた。 アメリカ人のホリーは、ハーバード大学在学中に現在の夫であるディエタ・ノッテボーン氏と知り合い、結婚。その後夫とともにグアテマラに移る。夫のディエタ・ノッテボーンはグアテマラのコーヒー輸出業者であるトランスカフェ社の社長を務めており、ホリー女史は農園の中の公共的側面、特に学校に関わる仕事に主に従事している。 本日紹介するヌエバ・グラナダ農園は彼らが経営して20年。 この農園は340ヘクタールの面積を有し、グアテマラ南西部の高地サンマルコスに位置する美しい農園である。

:: ヌエバ・グラナダ農園

002-photo05.jpg3. フランシスコ・ラルーダ氏
グアテマラ/アコディフエ農協

ラルーダ家は1865年にドイツからの最初の移民としてコーヒー農園を手がけている。
彼はラス・ビクトリア農園を経営しており、同農園はレインフォレスト・アライアンス認証のグアテマラで3番目に認証された農園となっている。彼のモットーは農園から輸出市場までトレースできる商品を提供することで、彼の活動が評価され、彼の会社は2001年にグアテマラ政府から優秀賞が与えられた。
2003年5月にはレインフォレスト・アライアンスからサステイナブル・スタンダード販売会社として表彰も受けた。グアテマラのスペシャルティコーヒー輸出者であるグアテマラ・ディファレンシエイト・コミッティの代表である。アコディフエ農協は小農家の集まりで、レインフォレスト・アライアンスの認証を今年の末取得するべく、協調して作業を推進中。

002-photo06.jpg4. Dr.グスタボ・クエラー氏
エルサルバドル/ラ・マハダ農協

グスタボ・クエラー博士はコーヒー生産者であり、エルサルバドル、ラ・マハダ農協の代表で、エルサルバドルコーヒー研究所(プロカフェ)の副代表、全国コーヒー農協連合会(ウカフェ)の副理事、アグロペクアリオ銀行の役員でもある。
彼は学生時代に化学技術、地球化学を習得。その他、地熱エネルギーの権威として、アメリカや世界機関に助言もしている。
ラ・マハダ農協は586人の農家からなり、面積は7,700ヘクタール、年平均9万袋(68kg換算)のコーヒーを生産し、そのうち95%を輸出している。

002-photo07.jpg5. ギルベルト・マンリケ氏
コロンビア/カチャル農協

ギルベルト・マンリケ氏は、1975年からコーヒー生産に従事。
マンリケ氏はカチャルグループの中で、7ヘクタールのブラジリア農園を担当。
カチャルグループ農園は、14の農家で構成されている農協組織であり、コロンビアのサンタンダール地区に位置している。同グループの年間生産能力は700袋。
オーガニックの認証も2000年10月から受けており、必要な技術も積極的に導入している、進歩的な農協組織であるといえる。
カチャルとは、現地インディアン語で「希望」を意味し、これには原住民のポイマ族及び、同地域に住む人々の「希望」が込められている。ギルベルト・マンリケ氏は当年とって72 才だが、ますます「希望」を持って意欲的にコーヒーの生産に取り組んでいる。

002-photo08.jpg6. オズワルド・ピッツァーノ氏
ブラジル/ダテーラ農園

オズワルド氏はダテーラ農園で、財務兼営業部長であり、環境保全プログラムのコーディネータでもある。
ダテーラ農園はブラジルのセラード地区に位置し、総生産量10万袋、標高1,000〜1,100mに位置する大農園である。農園内にウェット・ドライ全てのミルがあり、生産から輸出まで一貫したプロセスを農園内で行うことができる。
栽培は全てトレース管理できるシステムを有しており、GPSを使った細かな区画管理をおこなっており、ISO14001も取得。
ダテラ社は売上げの5%を、自ら設立したエドゥカール基金に供出し、ボランティアの教育プログラムを設けている。

::ダテーラ農園

■会場内でのコーヒー試飲
また、会場においてはセルフサービスの試飲用コーヒーが提供された。グァテマラ・エルサルバドル・ブラジル・コロンビアの各R/A認証農園にて収穫されたいずれも最高級の生豆を使用。参加者の評価は様々で、参加各社の戦略・また個人の嗜好により票が割れた模様。

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■レインフォレスト・アライアンス セミナーに関するお問い合わせ
兼松(株)食品第1部飲料原料課 
担当・鈴木(jun_suzuki@kanematsu.co.jp