(2004年1月6日版)
インドネシア・アチェ地区軍事作戦"Darurat Meliter"情報
来年5月から始まる統一選挙以前の平常化に向け、国軍がゲリラ組織GAM(自由アチェ運動)勢力の掃討を目論む軍事作戦"Darurat Meliter"ですが、年末に二つの事件が起こったとの情報が入りましたので下記します。
なお、これによるマンデリン価格の高騰等は情報として入ってきておりません。リントンエリアの勃興があり、国内供給自体は落ち着いている模様です。

1. 2003年12月29日、インドネシアのRCTV局に所属する著名なジャーナリストMr. Ersa Siregarが殺されるという事件が起きた。Siregar氏と30名の市民がGAMにより人質として捕らえられ、国軍が解放作戦を展開中に犠牲となった。GAMは彼を「楯」として利用したと見られている。

2. 2003年12月31日、GAMは東アチェ地区にあるPeureulak Acehにて高性能爆弾を爆破した。これによる死者は11名、負傷者は29名に上るものと見られる。


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(2003年11月21日版)
1. 第一フェーズ
2003年5月19日から2003年11月19日にかけて行われたインドネシア国軍によるGAM掃討作戦"Darurat Meritar"(添付参照)は、およそ150億円ものコスト発生を受けてひとまず収束した。 しかしながら、インドネシア政府はこの作戦の第二フェーズへの延長を決定した。アチェからメダンへの陸路が平静を取り戻す等、アチェ地域の状況はより良くなって来ているがGAM勢力は未だ一部駆逐できていないとの見方が一般的である。 インドネシアでは来年4月に一斉選挙が開催される為、第二フェーズは3〜4ヶ月の期間にとどまると予測されている。一部の政治家はこの政府決断に対して異議を唱えている。

2. アチェからの供給
輸出業者の多くは現時点での「アサランの供給はタイトであるが価格は安定的」としている。
その理由は、

A) 海外のバイヤーが消極的
日本、米国、欧州のバイヤーからの需要が減っている。

B) ローカルサプライヤー
これまで輸出業者にアサランを供給していたローカルサプライヤーが3〜4社でアライアンスを組み輸出業者へと転換し、安値攻勢をかけている。品質度外視の安値マンデリンには、欧米系のメジャーではないバイヤーからの買いが殺到しているとのこと。

C) リントンエリアからの供給
伸張するリントン地区からの供給が順調。アチェエリアのサプライヤーですらリントンから玉を購入することもある様子。

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(2003年11月21日版)
GAM:
インドネシア西部アチェ州の分離独立を目指すイスラム系武装組織「自由アチェ運動」。

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アチェ特別州:
州都バンダ・アチェ。インドネシア・スマトラ島最北部に位置し、面積5万5400平方キロ。約400万人の人口のうち約90%をアチェ人が占める。16世紀-20世紀初頭までバンダアチェにイスラム系のアチェ王国が存続した。19世紀後半から、植民地支配を狙うオランダと激しく戦ったが、1904年にこの戦争に敗れた。外部からの支配に抵抗する民族意識が今日の分離、独立運動にも反映されている。石油、天然ガスなどの資源に恵まれ、地方自治が進む中、資源収入の取り分が増えている。熱心なイスラム教徒が人口の大半を占めることでも知られる。

2002年に和平協定が合意されて以降、一時は衝突が沈静化したかに見えていた。しかし、2003年5月17日、東京で行なわれたインドネシア政府とGAMとの直接対話が決裂。インドネシア政府は「協議でGAMが国土の一体性を平和的に支持する考えの全くないことが明確になった」と判断。「治安を回復する必要が生じた」として、5月19日、軍事作戦を展開するための大統領令を出した。

5月18日
東京にてGAMとインドネシア政府の代表団との間で行われていた和平協議が決裂。アチェ特別州全域に戒厳令発令。

5月19日
インドネシア国軍によるGAM掃討作戦"Darurat Meliter"開始。作戦期間6ヶ月を見込む。

5月21日
作戦開始から2日間で192を超える学校施設、バス、水道施設等が襲撃された。武装したGAM勢力がゲリラ戦を展開。市民と見分けがつかない為掃討は困難か。"WASPADA"紙報道。

5月26日
作戦開始1週間で68人のGAM勢力死亡、24人逮捕。国軍兵士5人死亡、19人負傷。警察官2名死亡。343の学校施設破壊。メダン市からアチェ市への陸路交通が国軍警備の元再開。週2回のペースで食糧輸送目的で行われる。

<輸出業者見解>
P.T. Sari Makmur社
多くの農家・ブローカー達が、和平交渉が決裂し、軍事作戦が展開されるのを見越して、アチェからメダンへと原料を移動させていた為、輸出業者は期近のポジションが重くなっている。
とはいえ、
①アチェ玉のストックが十分でない
②6月以降9月にかけて端境期に入る
③アチェからメダンへの陸路が封鎖されており、回復の見通しが立たない
④日・米のバイヤーから旺盛な引き合いがある(欧州バイヤーは通常通りの動き)
等の理由から、今年秋口にかけて価格の高騰を予測。

:: C.V. Eka Nusa Jaya社
元々6〜8月は端境であり原料数量が細る上今回の特殊要因が重なることで価格の高騰が予想される。軍事作戦が開始された直後は新規商談をストップする。2週間程度経過後、様子を見ながら価格のオファーを再開する。