2018年コーヒー相場市況

2018年1-9月の相場は131セントでスタート。4月にはおおよそ1年ぶりに113セントをマーク。5月に一時値を戻す瞬間もあったが、一時的なものであり、その後はブラジルにおいて天候リスクなどのネガティブ情報もなく、今年は豊作という情報をもとに下落していった。8月には95セントという記録的な安値をマーク。

1-9月の一環した下げ要因は下記が考えられる。

① 世界的なコーヒー豆の豊作

② ブラジルレアル安

③ ファンドの売り介入

18-19クロップは1140万袋増え1億7120万袋となっている。これはブラジルの記録的な豊作が大きく寄与している。消費量は1億6320万袋。3年ぶりに期末在庫が昨対で減少から増加に転じる予想である。ブラジルは今年表年にあたるため、通常でも例年より豊作ではあるが、今年はこれに加えて開花、結実、果実の成熟の各段階で素晴らしい天候であったことが今年の記録的な豊作につながった。アラビカ種は昨対比600万袋増加の4450万袋となっている。ただしパラナ、ミナスジェライスの南東地域は今年裏年にあたる。ロブスタ種は330万袋増加の1570万袋を見込んでいる。これはメイン産地であるエスピリトサント、ロンドリナ、バイーヤ地域の天候が安定したためである。合計昨対比930万袋増加の6020万袋を予想。

ブラジル以外の生産国について

ベトナムでは昨対60万袋増加の2990万袋。昨年もベトナムは豊作であったが相場が高値であったため、農家の実入りは良く、肥料などの農地への投資が十分に行われ、今年の豊作に繋がった。また農地も多少拡大しているとのこと。

中米諸国の生産量は2030万袋ほど。この水準はさび病が発生した以前の6年前の生産量である。グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、パナマの生産量はほぼ回復したが、コスタリカ、エルサルバドル、ニカラグアの生産量はまだ完全回復には至っていない。

コロンビアの生産量は昨年とほとんど変わらず1450万袋ほど。さび病対策がかなり進んでおり、さび病に強く単収の良い木への植え替えが順調に進んでいる。単収は30%増加となっている。また植え替えが進んだことにより、木の平均年齢が15歳から7歳に若返っている。今後更に生産量は増加していくであろう。コロンビアのさび病問題は2008/09年に発生。ラニーニャ現象による大量の降雨が菌の繁殖に最適な環境を作り出したことが原因。この年の生産量は07/08と比較し30%も減少。この問題は2011/12クロップまで尾を引いた。11/12クロップに関しては、問題発生以前と比較し40%も減少するという悲惨な状況であった。

インドネシアは50万袋増加の1110万袋ほど。ロブスタ種の生産量は970万ほど。生産量の75%を占めるスマトラ島の南部、ジャバの天候が安定したことが大きかった。アラビカ種に関しては、僅かに増加し140万袋ほど。

②のブラジルのレアル安は年初3.2レアル/米ドルであったが、これが8月には4.1レアル/米ドルにまで急落。輸出はドル建てで行われるため、現物の売り圧力となる。5月はトラック業界のストライキがあり輸出量は大きく減少したが、6月、7月は順調に推移し、昨対比24.2%増の233万袋であった。

最後に③のファンドの売り介入であるが、今年は豊作情報が揃っており、2016年にはネット買い越し65,000万であったが、2018年8月にはネット売り越し△90,000枚となっている。2016年10月の相場は175セントと直近3年での最高値である。2018年8月は98セントと2006年ぶりの100セントを下回った。なおネット売り越し△90,000枚は1999年以降最高値である。

長期的ではあるが、コーヒーの研究を行っているWorld Coffee Research社によると、このまま消費量が年2%増で推移していくならば、コーヒー豆の必要数量は2億9800万袋必要となる。つまり現在の生産量に2倍必要である。しかし気候変動の影響でコーヒー栽培適正エリアなどが減少し生産量は1億1800万袋まで落ち込むと試算している。エチオピアでは20%減、コロンビアでは25%減。特に留意すべきはブラジル。同地では60%以上減少すると言われている。

消費に関しては、インスタントが大半ではあるもののアジアのコーヒーの消費量の伸びが著しい。インドネシアが11.2%。ベトナムが9.2%、フィリピンが6.7%といった勢いで年々消費量が増えている。また中国市場も大きな伸びを示している。中国の中間層レベルの人口が2020年までに倍の6億人にまで増える予定。今のコーヒー消費量は比較的少ないが、今後間違いなく伸びてくる。世界平均の伸び率は2%に対して、中国は15%で推移しており、世界で一番消費量の多い国になるのももはや時間の問題であろう。現状は、世界で一人当たりの消費量が最も多いと言われるフィンランドの12㎏/年と比較すると、中国は年間83g/年のためかなり少ない。ただし、この数字は中国国民全員が年間カップ5杯だけ飲んだ数量となっており、今後間違いなく増えていくだろう。現在の消費の大部分は都市部に集中しており、地方ではほとんど飲まれていない。例えば香港では年間2㎏/人消費していると言われており、4.4㎏の北米や4.9kgのヨーロッパ諸国などに徐々に近づいている。2020年までに中国国内でスターバックスが5000店舗開店すると言われており、この数字は毎日どこかの町で新規店舗が開店していることになる。

需給バランス崩壊は先の話ではなく、近い未来の話ではないかと思う。その時新興消費国に買い負けないよう今行うべきことは、しっかりした原料調達先の確保である。安定して買付け可能な調達先を確保することは、継続して良質なコーヒー豆を確保する上で非常に大事だと思われる。良質なコーヒー豆は世界中で求められている。北米やヨーロッパの伝統消費国は既に汎用コーヒー豆から全ての原料を認証品に切り替えるなどの動きが活発である。今後もこの動きは世界各地で活発化するであろう。

参考資料:参照USDA
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参考資料 コーヒーアラビカ

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USD/BRL

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参考資料:ファンド筋の建玉
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USD/JPY
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