今週は、2017/18クロップの収穫の大半を終えた、ジャマイカ・ブルーマウンテンについて、近況報告いたします。

【産地状況】

昨年2016/17クロップにおけるブルーマウンテンコーヒーの総生産量は、前回10月のご報告のとおり、現地輸出業者団体からの発表で、202,963boxとなった模様。天候面での悪影響は少なかったものの、一部の標高の高いエリアでサビ病が多少発生したという話もあり、生産量が伸び悩んだという状況です。

続く、直近の2017/18クロップ。前年クロップの収穫期間が少し間延びしたことにより、標高の高いエリアでは開花時期も遅れ、それによって開花量そのものも少なくなり、部分的に減産となってしまった区画もいくつか散見されているようです。しかし、生産地全体での総枠の話で言えば、育成期間における大きな天候不順要因もなく、病害虫やサビ病などの問題も多少はあれど、大なり小なり収穫量は前年並み程度との見通しです。

(写真・Stoneleigh工場を運営するShirleyファミリーが保有するSt.Clouds農園の状況。収穫はほぼ終了)
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【価格・供給の見通し】

 ブルーマウンテンを含むジャマイカのコーヒー産業は、国のGDPの7%に相当。そして、国の人口が290万人ほどであるのに対し、コーヒーの生産に従事する農家の数は実に10万人とされていますので、コーヒー産業はジャマイカにとって非常に重要なものです。買い手の立場からすれば、単純に価格が下がる方がうれしい気持ちはありますが、産業を維持していくためには、農家が生き残っていけるだけの十分な収入が必要になって来ます。2~3年ほど前までの高値相場で農家は異常なほど儲けたのでは、という声が聞こえなくもないですが、仮に農家の収入が2倍になったとしても、1軒当たりの農家が生産できる量はかなり細々としたものですので、感覚的には、年収50万円の農家がたまたま1年だけ年収100万円になった、という程度のものです。これはとても家を建て替えたり、車を購入したりできるようなものではなく、現地の農家の生活は、単年度の相場高騰だけでは決して楽になるものではなさそうです。
 そんな中、ジャマイカの産業の中核に携わる政府や大手輸出業者は、せっかく生産が復調しかけたコーヒーの生産を維持するために、国の産業の中長期的な支援すべく、農家からのチェリーの買い付け価格にはかなり注意を払ってきました。
 前回10月のご報告では、「ブルーマウンテンの需給が急速に緩み、日本が買わないから現地価格も下がるだろう」という予想に対し、実際は現地産業を担う若い後継者たちが、いかに生産を安定させて価格のブレ幅をなくすか、そして消費国に安定して使いつづけてもらえるか、ということに非常に苦心しているとお伝えしました。しかしながら、中には価格を買い叩いて大量に物を集めて安値で輸出し、シェアの拡大を目指す業者もいて、それが遠因となり、日本国内のブルーマウンテン相場も下落傾向に向かっています。つまり、先々の産業維持よりも、手前で商売になればよいと考える輸出業者も出てきてしまっているという状況なのです。その結果、不本意な価格でないと手元のチェリーを販売できない農家が増え始め、コーヒーへの生産意欲が減退しつつあり、1~2年後の減産がやや懸念されるというのが、直近の状況です。
 もちろん、産地側の産業の維持は、健全な消費地側の需要に支えられるべきでありますので、当社としても、産地を守るためだけにいたずらに高値養護をするつもりはありません。今後も長期的に組んでいきたい農園を支えつつ、出来うる限りその他のブルーマウンテンと差がつきすぎないよう、価格調整を行うべく努力してまいります。

結論として、

*次の2018/19クロップの大勢が見えてくるまでの2019年3月ごろまで、価格は前年比でもう一段の下げとなりそう。
*少なくとも2019年3月ごろまで、供給の心配は一切無用。仮に翌クロップが減産になっても、今年の繰り越しも加味すれば、しばらくはモノ不足に困る心配はなさそう。

とういうのが、向こう1年の当社の見通しです。

【COFFEE NETWORKでの取り扱い予定】

①Blue Mountain No.1 Stoneleigh Factory
→ 2016/17クロップを販売中。現状在庫がなくなり次第、このクロップの販売を終了します。
  後述の②の商品に移行するまでに、半月~1か月程度、一次的な在庫切れとなる可能性もございますこと、ご了承くださいませ。

②Blue Mountain No.1 Stoneleigh Factory "St.Clouds(セントクラウズ)農園"
→ 2017/18クロップ新穀より、従来と同じ精選工場のもので、原料の仕入れもとを100%農園指定にした商品にリニューアルします。価格もグッと調整しますので、ご期待ください。6月中下旬の入荷予定です。
  久々に15kg樽での包装になりますので、飾り用としての樽の入手にもぴったりの商品です。
  15kg樽の入荷をもって、一旦5kg詰め替え品の扱いを中止したく考えております。輸送コスト効率の都合上、5kg袋の継続有無はお客様からのご要望の数次第での検討となりますこと、何卒ご容赦願います。

➂Blue Mountain No.1 Stoneleigh Factory "Cinchona(シンコナ)農園 ・Re-Discovery"
→ 上述の②の後に、同じ精選工場で、また別の農園で収穫されたもので仕上げたマイクロロット商品を試験的に導入します。
  いまでこそ、No.1の規格はスクリーン17以上ではありますが、20年以上前は、スクリーン19以上が規格基準でした。往年の、目を見張るほどの大粒の輝かしいブルマンの再来を目指した、特別規格の商品です。こちらも15kg樽の荷姿となり、St.Cloudsより少し遅れ、8月ごろの入荷予定です。

④Blue Mountain Select Fine Stoneleigh Factory
→ 2016/17クロップを販売中。新穀のNo.1の入荷時期に合わせ、同じように価格調整を致します。ロットの切り替えや詰め替えのタイミングで在庫なしという場合が起こったりもしますが、麻袋での元在庫がなくなる可能性は100%ございません。
  こちらは今後、お値打ち価格での60kg麻袋品と、5kg詰め替え品の同時扱いに拡大する予定です。

これからも在庫切れを心配することなく、安心して当社のブルーマウンテンをご利用くださいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

(兼松・江藤)