今回の食レポートは、アメリカ駐在員から届いたワイン特集をお届けします。
ワインといえばヨーロッパの印象が強いですが、実はアメリカではオレゴンがワイン天国として知られています。
ご紹介するのは、オレゴンワイナリーのメッカ である"Willamette Valley" でも知名度の高い
「Ponzi Vineyards」です。

090-photo01.jpg よほどワインにお詳しい方でなければ、オレゴンワインなぞ聞いたこともない、アメリカのワインといえばNapaだけだろ、という方が殆どと推測されるので、まずは「オレゴンワイン」について簡単にご紹介します。

実はオレゴン州、(正確に言えば州境を接するワシントン州、アイダホ州を含むPacific North West 地域)でのブドウの栽培並びにワイン生産は歴史が古く、1840年代から始まったといわれます。

その中心地であるWillamette Valley は、夏は温暖で乾燥、冬は涼しく多湿という気候、土壌ともにブドウ栽培にはよく適していた為、入植者たちによって Zinfandel、Riseling、Sauvignon など様々な品種が実験的に持ち込まれ栽培が進みました。

しかしその後、禁酒法により数十年にわたりオレゴンのワイン産業は小規模のまま停滞が続きました。転換期となったのは、1960年代。
オレゴンでのワイン醸造に将来性を見出したカリフォルニア州など州外のワイン醸造家が次々とオレゴン州に移住し、次々とブドウ園/ワイナリーを開園、本格的なワイン生産が始まりました。

今回特集するPonzi Vineyards の他、Sokol-Blosser、Earth、Adelsheim、Elk Cove(クリントン国務長官のお気に入り)など現在でも存在感を示す有力ワイナリーもこの頃開業しており、現在、オレゴンワインの中心品種であるピノ種(Pinot Noir、Pinot Blanc、Pinot Gris)の栽培もほぼ時を同じくして栽培が始まりました。

ちなみに、オレゴンのPinot Noir は、初回ビンテージからさほど時を経ずして1979年の仏ワインオリンピックでもトップ10に入るなど、非ヨーロッパ(ブルゴーニュ)ビンテージの一つとして世界的にも高い評価を受け、その品質の高さに驚いた仏ブルゴーニュの有力ワイナリー Maison Joseph Drouhin は、オレゴン州Dundee に「Domaine Drouhin Oregon」を開業、今にその名声を伝えています。

今では、オレゴン州には500以上のブドウ園と300以上のワイナリーがあり、全米第3位の規模です。品種は上述の通り、Pinot Noir を筆頭にピノ種が圧倒的なシェアを占めています。

商業化が特に進んでいるカリフォルニア州に比べると、総じてワイナリーの生産規模は小さいが、知名度の低さから州外需要も比較的大きくない為、オレゴンらしく「地産池消」の代表格とも言え、生産と消費の上手いバランスが取れています。

ワインを買うなら、価格といい、品揃えといい、Costoco と Safeway が図抜けてお得であるが、今は2010年度産がマーケットの中心で、2009年産終盤といったところ。
Pinot Noir の中心価格帯は、9~20ドル/ btl、Pinot Gris では7~15ドル/ btl あたり。

近年で素晴らしいビンテージといわれている2008年産は、ほぼ棚から消えているか、あっても3~5割増。ただ、前述の通り、商業化が著しく進んでいるカリフォルニア/Napa Valley の Cabernet Sauvignon では、ワイナリーやビンテージによって価格が天と地ほどかけ離れているのとは対照的に、オレゴンPinot Noir は、全体的に価格高め(それでも20ドル弱)ながら、数百~数千ドルもするような飛びぬけたものは極めて少なく、誠に一般市民向けのワインといえるのではないでしょうか。

その中で今回ご紹介する「Ponzi Vineyards」は、上述オレゴンワインの中興期とも言える1960年代に移住してきたDick Ponzi 氏により創業され、1974年に初回ビンテージを出荷。
その後も品質、数量ともに順調な生産を続け、Dick 氏はWillamette Valley地域のワイン産業の中心役を似ない続けました。現在の経営(ブドウの生産、醸造、販売)は子供たちの世代に引き継がれており、今後どのようなゾーンを狙った製造をしていくのか注目されます。
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090-photo03.jpg 中心品種は、やはりピノ3種であるが、この他、ChardonnayやRieslingの白品種、先祖出身地でもあるイタリア系品種なども生産。

製品では、20~30ドル台の製品をベースにしながら、ロゼやデザートワインにも進出、意外にもオレゴンPinotでは珍しいスクリューキャップも積極的に導入するなど、幅を広げています。実は、このPonzi Vineyards、弊宅から車で3分。ここのセラークラブにも加入しています。
加入すると年4回それぞれ80ドル程度相当のワイン(2~3本)を買わなければなりませんが、Ponzi 自慢のワインが格安で変えるだけでなく、通常10ドルは掛かるテイスティングもいつ行ってもタダ。
週末、ヒマがあると家内ともしくは一人で出掛けては、テイスティングを楽しんでいます。(結局は買う羽目になりますが。)